一戸建て注文住宅を3年ほど前に建てました
慎重に慎重を重ね、あちこちのモデルハウスや見学会にも参加し、やっとたどり着いた家づくりです。契約までに約一年ちょっとかけ、納得いくまで時間をかけてゆっくり建てました。
地元の業者さんにしようか、高くても建築士さんに入ってもらって建てようか夫婦間でも悩み、安直にモデルハウス等での知識吸収だけに頼らず自分達で十分考えようねと主人と話しました。
ハウスメーカーさんの話はメーカーさんサイドの話なので、家が欲しい人間にとっての私たちには冷静に判断しづらいものがあると思い、図書館等へ行って本を調べたりしました。また元々ハウスメーカーの家が欲しかった私たちなので、実際に建てた人や、建て売りを買った人たちに聞いて参考にさせてもらいました。
結局、建築士さんを入れ、工務店さんも自分たちで決めるために、見積もりを出してもらいました。見積もりを取ってみて驚いたのは、相対的な面から算出された大工さんに払う経費やこの土地に移動して来て建てるための経費や、それに伴う金額などに大きな差があったことでした。
専門的な箇所は、建築士や専門家に
結局、高くついても建築士さんに入ってもらうことで、デザイン、駆体の強度等(Q値、C値)将来に向けてのメンテナンス、家そのものに対する税金の考え方(向こう何年間かの減税等)上手に制度を使ってもらっての家づくりが出来るか等、諸々のことを考えた結果は建築士さんにお願いするというものでした。
また夫婦間で役割分担し、契約は主人が、家の中の間取り等は私が担当しました。
土地に対しての調査も専門家にお願いし、登記等は代書さんに。金銭的なことは、日ごろからお金に対しては私が担当していたこともあり、大きなお金以外はそこも私が担当しました。
建築士さんの方もきちんと私たちの家づくりにぴったり合うプランを考えてきてくれて、丁寧に説明してくれる中から微調整を繰り返してくれました。契約までの期間、本当に建築士さんは粘り強く親切に関わってくれました。
家を持った人の誰もが自分の家への思いやこだわりがあると思いますが、私たちも色々工夫を重ねました。特にお金に関することは退職も間近だったため、どんな方法で支払いをするか考えました。多くは退職金を充当させ、それ以外はあまり大きな負担がかからないよう、貯金を取り崩して支払うなど……。
実際にとりかかると最初は夢が膨らみ、張り切っていたのに、だんだん現実に突き当たることが多く、微調整ぐらいでは済まず、大きく方向転換を強いられることもありがっかりすることも多くなりました。
計画も部材もとても見えやすい計画だったはずなのに、見えすぎることで自分達の要望も高くなり、迷う中で変更を重ね、希望に沿うものにならないなど、色んな事が机上の物とは違うことを知り、それらのことがそう簡単には叶わないことも知りました。
主人との理解の差にも悩んだり、色んなことへのあきらめのスピードの遅さにも悩んだり……。
実際に家が出来上がって
建てると決めるまでのわくわくした気持ちから、着工してからの不安はしばらく続き、本当に家の体裁が整っきて初めて嬉しさがじわっとこみ上げてきました。
家に対しての興味がほとんどなかった主人と、家に対する夢がものすごく大きかった私の気持ちが逆転し、細かい所が気になる私と、概ね納得して楽しんでいる主人との楽しみ方も違いました。
しかし、主人が「安心を一緒に建てるんだ」といった言葉の意味がだんだんわかるようになり、見失いかけていた家への思いは徐々に回復し、今はとても安心して暮らしています。悩んだ時期があったことが今は嘘のようで、転勤族だった私たちが自分の考えをふんだんに取り入れてもらって、屋根のある家に住めることの幸せは格別です。
お金が十分にあって建築士さんにお任せできるのもいいですが、潤沢にない資金の中で、あれこれ知恵を絞り、夫婦二人で作った家は終の棲家として満足できるものです。孫たちも子供達もとても喜んでくれる家づくりが出来たことに感謝し、家を楽しもうと思っています。子供たちに受け継ぐ時も間取り等に余力がありリフォームも容易です。
最初欲しいと思っていたハウスメーカーでは間取りに融通が利かないということも知り、注文住宅の良さを実感しています。自分も家づくりに参加できたという満足感と達成感もあります。いくつかもう少しこうしたかったということ(デザインにこだわりすぎて本当にこれ必要だった?)って思うことはありますが、それも許せる範囲です。これからそれをどう楽しもうかと思っています。